水道屋がイチから教える!はじめての蛇口交換DIYを成功に導く手順書
「家にある蛇口」と聞くと、色々な場所の蛇口を思い浮かべるのではないでしょうか。
キッチンにお風呂、洗面所や屋外など、それぞれ形も機能もバラバラです。
一般的な蛇口であれば、家にある蛇口はどれも自分1人で交換することができます。
そうすると、蛇口の交換作業を私たちのような水道業者に依頼するのと比べ、交換費用のうち工賃を節約することができますね。
一方、蛇口交換を業者に依頼する場合はどうでしょうか。
水道業者は蛇口交換に関してはプロ中のプロなので、失敗せずに間違いなく蛇口交換をしてくれますし、作業スピードも迅速です。
また、業者によっては交換後の保証がついていることもあり、安心かつ確実に蛇口交換をすることができます。
しかし何かとお金がかかるこのご時世、節約できるものは節約したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、こんな皆さんのお悩みにお応えします。
「水漏れしてるから蛇口交換したいけど、どうやって交換したらいいの?」
「蛇口の種類がたくさんあって、どれを選んだらいいかわからない」
「失敗したらどうなるの?業者に頼んだらいくらかかるの?」
蛇口交換を考える前にまず確認してほしいこと
DIYで蛇口を交換する前に、必ず確認して欲しいことがあります。
それは、本当に蛇口をまるごと交換する必要があるかどうか?です。
新しい蛇口を購入し、時間をかけて交換作業をした後に、
「実はまったく交換する必要はなかった…ッ!」
となってしまっては本末転倒ですからね。
軽い水漏れなら蛇口ごと交換しなくても直るかも?
私の経験上、蛇口からの水漏れがきっかけで蛇口交換を検討する方はとても多いです。
ですが実は、蛇口からの水漏れの原因は、パッキンの劣化やナットの緩みであることが多く、そういった場合は蛇口を丸ごと交換しなくても、簡単に水漏れを直すことができるのです。
パッキンとは、部品の接続部を密封するためにあるゴム製の部材で、ある程度年数が経つとゴムが硬化し、ボロボロになってしまいます。
すると部品の接続部に隙間が空いてしまうため、水漏れが発生してしまうのです。
また、普段蛇口のハンドルやレバーを操作しているうちに、蛇口についているナットのどれかが緩んでしまうことがあります。
その場合も同様に、部品の接続部に隙間が空いてしまい、水漏れが発生します。
パッキンはホームセンターや通販で200円くらいで購入することができますし、交換もさほど難しくはありません。
ナットの緩みが原因の場合は緩んだナットを締め付けるだけで水漏れは解消します。
パッキンやナットは、水漏れ部分の付近にあるナットをモンキーレンチなどで外すだけですぐに確認する事ができるので、まずはパッキンが劣化していないか、ナットが緩んでいないか確認しましょう。
みんなが蛇口を交換するタイミングって?
蛇口は、10年〜20年使ったら交換するという方が多いです。
特に毎日使うキッチンやお風呂、洗面所は消耗が激しいため、劣化も速いです。
15年以上使った蛇口であれば、部品交換などによって水漏れを直すことができたとしても、すぐまた他の場所にガタを感じることが多いです。
であれば、いっそ蛇口全体を交換してしまった方が経済的にも良い場合がほとんどです。
- 蛇口からの水漏れはパッキンの劣化が原因かも
- ナットが緩むと水漏れが発生することがある
- パッキンの劣化やナット緩みは簡単に修復可能
- 蛇口交換のタイミングは10年〜15年
- 蛇口交換する時は、部分的にではなく丸ごとがオススメ
交換する蛇口を選ぼう
新しい蛇口を選ぶときは、蛇口の取り付けタイプと各種の寸法に注意しましょう。
取り付けタイプとは、給水管と蛇口の接続部分の形のことです。
異なる取り付けタイプの蛇口へ交換することはできないので、まずは交換したい蛇口の取り付けタイプを把握しましょう。
穴径・・・・蛇口を接続する取り付け穴のサイズ
ピッチ・・・2本の給水管(水とお湯)どうしの幅
キッチンの蛇口は3樹類
取り付けタイプや寸法 | イメージ |
台付きワンホール水栓
穴径:33〜39mm |
|
台付きツーホール水栓
ピッチ:102,203mm |
|
壁付き水栓
ピッチ:105〜255mm |
お風呂の蛇口は2種類
取り付けタイプや寸法 | イメージ |
壁付き水栓
ピッチ:120〜215mm |
|
デッキ水栓
ピッチ:85,105,120mm |
洗面所の蛇口は3樹類
取り付けタイプや寸法 | イメージ |
ワンホール水栓
穴系:33〜36mm |
|
ツーホール水栓
ピッチ:102mm |
|
コンビネーション水栓 |
いろんな所にある単水栓
取り付けタイプや寸法 | イメージ |
壁付き単水栓 |
蛇口を自分で交換してみよう
ここまで9種類の取り付けタイプをご紹介しましたが、取り付け手順は共通する部分が多いため、共通する取り付け手順はまとめてご説明していきます。
- キッチン台付きワンホール水栓
- 洗面所ワンホール水栓
- 洗面所コンビネーション水栓
- キッチン台付きツーホール水栓
- お風呂デッキ水栓
- 洗面所ツーホール水栓
- キッチン壁付き水栓
- お風呂壁付き水栓
- 壁付き単水栓
ワンホール水栓の交換手順
- 水道の元栓を閉める
- 止水栓を閉める
- 止水栓からホースを外す
- 古い蛇口を取り外す
- 新しい蛇口本体取り付ける
- 止水栓にホースを取り付ける
- キッチンの止水栓を開ける
- 水道の元栓を開ける
- 新しく取り付ける蛇口
- マイナスドライバー
- モンキーレンチ
- バケツ
- 雑巾
まずは家の水道の元栓を閉めます。
水道の元栓は、戸建住宅の場合は屋外の地中に水道メーターと一緒に埋め込まれている場合が多いです。
マンションやアパートなど、集合住宅の場合は、玄関の脇にあるパイプシャフトの中に水道の元栓が入っています。
水道の元栓を見つけたら、時計回りに回すと閉まります。
キッチンや洗面所の下の収納部分を開けると、その水道に対応した止水栓が見えます。
その止水栓を、時計回りに回して閉めます。
ハンドルを回すタイプのものや、マイナスドライバーで回すタイプのものがあります。
止水栓に取り付いているソケットのナットを、モンキーレンチで取り外します。
するとホースを取り外す事ができます。
このとき、ホースに残った水が流れてくる可能性があるので、バケツを下に置いておきます。
銅管ホースの場合は、ふたつの銅管を中央に引き寄せておきます。
キッチンや洗面所の収納から上を覗き込むと、蛇口を台の裏側から固定しているナットが見えます。
そのナットを、モンキーレンチで取り外します。
ナットを取り外したら、古い蛇口を台から引き抜いて取り外します。
新しい蛇口を台に固定します。
キッチンの場合は、新しい蛇口の取り付けアダプターを、キッチン台の取り付け穴に挿入します。
その後、アダプタをボルトで固定し、新しい蛇口本体を差し込んでネジで固定します。
止水栓に新しい蛇口の付属品のソケットを、ナットで固定し取り付けます。
ソケットにホースを差し込み、シャワー付き水栓の場合はシャワーホースにシャワーホースソケットを取り付けます。
2で閉めた止水栓を反時計回りに回して開けます。
1で閉めた水道の元栓を開けます。
ツーホール水栓の交換手順
- 水道の元栓を閉める
- 止水栓を閉める
- 古い蛇口を取り外す
- 新しい蛇口の台を取り付ける
- 新しい蛇口を取り付ける
- 止水栓を開ける
- 水道の元栓を開ける
- 新しく取り付ける蛇口
- マイナスドライバー
- 立水栓取付レンチ
- モンキーレンチ
- 雑巾
まずは家の水道の元栓を閉めます。
水道の元栓は、戸建住宅の場合は屋外の地中に水道メーターと一緒に埋め込まれている場合が多いです。
マンションやアパートなど、集合住宅の場合は、玄関の脇にあるパイプシャフトの中に水道の元栓が入っています。
水道の元栓を見つけたら、時計回りに回すと閉まります。
キッチンと洗面所の場合は、流し台の下の収納部を開けると、その蛇口に対応する止水栓があります。
デッキ水栓のお風呂の場合は、デッキの下に位置する点検口(シャンプーなどを置くスペースになっていることが多いです)を開けると止水栓があります。
その止水栓を、時計回りに回して閉めます。
ハンドルを回すタイプのものや、マイナスドライバーで回すタイプのものがあります。
止水栓を見ると、蛇口の裏から伸びるホースと、水やお湯の給水管が繋がっています。
ナットを緩めると、ホースと給水管を取り外すことができるので、レンチでナットをゆるめてください。
ナットの部分にはホースカバーがかけられている場合があります。
カバーがかけられている場合は、カッターなどで切り込みを入れて取り外して下さい。
ホースと給水管を取り外したら、古い蛇口本体を取り外します。
ツーホール(デッキ)水栓は裏側からナットで固定されている場合が多いので、ナットを立水栓取り付けレンチを使って取り外します。
ナットを外すことができたら、古い蛇口本体を引き抜いてください。
新しい蛇口の台を取り付けます。
古い蛇口の固定方法と同じように、裏側からナットで固定するタイプの台が多いので、立水栓取り付けレンチを使い、ナットを締めて固定します。
新しい蛇口の台は、止水栓の役割を果たすものもあります。
その場合は、取り付けが完了したら必ず止水栓を開け閉めして、開通チェックを行って下さい。
蛇口の台と蛇口本体が一緒になっているタイプのものもあります。
新しい蛇口の台の上から蛇口本体を取り付けます。
台と本体をつなぐナットを締めて固定してください。
本体を固定したら、蛇口から伸びるホースと給水管を接続します。
この際、給水管との繋ぎ目のパッキンが劣化してボロボロになっていることがあります。
その場合は、新しいパッキンを購入して給水管とホースの繋ぎ目に取り付けて下さい。
新しい蛇口にホースカバーが付属している場合があります。
その場合は、新しいホースカバーをかけて固定してください。
2で閉めた止水栓を反時計回りに回して開けます。
1で閉めた水道の元栓を開けます。
壁付き水栓の交換手順
- 水道の元栓を閉める
- 古い蛇口の本体を取り外す
- 古い蛇口の取り付け脚を外す
- 新しい取り付け脚を配管に取り付ける
- 蛇口本体を取り付ける
- 水道の元栓を開ける
- 水漏れを確認する
- 新しく取り付ける蛇口
- マイナスドライバー
- モンキーレンチ
- 立水栓取付レンチ
- 別売りのシールテープ
- 使い捨ての歯ブラシ
- 雑巾
まずは家の水道の元栓を閉めます。
水道の元栓は、戸建住宅の場合は屋外の地中に水道メーターと一緒に埋め込まれている場合が多いです。
マンションやアパートなど、集合住宅の場合は、玄関の脇にあるパイプシャフトの中に水道の元栓が入っています。
水道の元栓を見つけたら、時計回りに回すと閉まります。
古い蛇口の本体を取り外します。
ナットで固定されており、モンキーレンチで取り外すタイプのものが多いです。
壁付き単水栓の場合は、本体が直接配管に取り付けられているため、このステップを飛ばしてください。
古い取り付け脚を、反時計回りに回して取り外します。
硬く固定されていてなかなか回せない場合は、モンキーレンチなどを使って回してください。
ムリに力を入れて回してしまうと、配管の中のソケットごと外れてしまう場合があるので注意してください。
古い取り付け脚が外れたら、使い古しの歯ブラシを使って配管に残っているシールテープや汚れを掃除してください。
シールテープが残っていたりすると、水漏れの原因になるのでご注意ください。
新しい取り付け脚(壁付き単水栓の場合は蛇口本体)に、シールテープを時計回りに7回〜10回程度巻きつけてください。
巻きつけたら、配管に新しい取り付け脚を差し込み、時計回りに手で回してください。
このとき、反時計回りに回してしまうと、水漏れの原因になります。
そのときは、シールテープを巻き直す必要がありますのでご注意ください。
取り付け脚は、手で回せないくらいまで回したら、モンキーレンチを使い、時計回りでへの字型に固定してください。
このときも、反時計回りに回さないよう注意します。
蛇口本体を取り付けます。
左→右の順に取り付け、蛇口本体が水平になるよう調整してください。
水平になるよう調整する際は、画像の方向と同じように動かして調整してください。
逆方向に動かしてしまうと、シールテープがめくれてしまって水漏れの原因になります。
その場合は、シールテープを巻くところからやり直してください。
本体が水平になったら、本体を固定します。
お風呂の蛇口の場合は、スパウトやシャワーを取り付ければ完了です。
1で閉めた水道の元栓を開けてください。
これで交換作業は完了です。
蛇口をひねって水を出し、配管部分などから水漏れがないか確認してください。
水回りのDIYはリスクもあるので注意
さて、ここまで蛇口交換の手順をご説明してきました。
思ったより簡単そうでしたか?それとも「こんな作業、自分にはムリかも…」と思ってしまいましたか?
蛇口の交換はDIYでも簡単に交換できる場合もありますし、ものすごく時間がかかってしまい、挙げ句失敗して結局水道業者を呼ぶというケースもたくさんお見かけします。
実際に、途中まで自分で交換しようとしてみたものの、途中で断念したという方からも多くのご相談をいただくのです。
これは、交換作業をする方にDIYのセンスがあるかどうかの問題ではありません。
「硬く締まっていたナットを外したらネジが歪んだ」
「錆のせいでナットを回しても空回りするようになった」
など、現在の蛇口の劣化が激しくて交換作業の難易度が上がることが多いのです。
失敗すると水漏れで大慌て?
蛇口交換のような水回りの作業は、万が一失敗した際のリスクが大きいという点も注意が必要です。
中でも水漏れには特に注意が必要と言えるでしょう。
床に軽く水をこぼしてしまう程度の水漏れなら問題ないのですが、服や床が水浸しになるくらい勢いよく水が噴き出してしまうこともあります。
アパートやマンションであれば、最悪の場合、お隣や下の階のお部屋に水漏れを起こしてしまうことも…。
もしそんな事になってしまったら大変ですよね…
確かに交換を業者に依頼することは、DIYで交換するのと比べて費用はかかります。
しかし、その費用を安心を買うための保険料としてお考えになり、私たちを頼ってくれたというお客様もかなりいらっしゃるんですよ。
業者に交換を依頼したらいくらかかるの?
蛇口交換を水道業者などに依頼した場合、蛇口本体の費用を除いた工賃は10,000円〜となります。
業者によって工賃は異なりますが、実際に現地で見積もりを取ってもらうまでは正確な費用はわかりません。
中には「見積もり段階では言われてなかった費用を後からたくさん請求された!」というお客様の声も聞いたことがあります。
同業者としてはとても悲しい話です…
水の110番救急車は作業内容に見合った適正価格をご提示しており、見積もり以上になることがありません。
「後から見積もり以上にお金がかかることがないと聞いて安心した」とお話くださるお客様はすごく多いんですよ!
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、キッチン・お風呂・洗面所の蛇口交換について、知っておいてほしいことや交換の手順をお話ししました。
まずは蛇口を購入する前に、簡単に直る水漏れかどうか?蛇口の取り付けタイプは何か?を確認しておきましょう。
取り付けタイプを把握することができ、DIYで蛇口交換に挑戦することになったら、この記事の取り付けタイプごとの交換手順を参考にしながら、蛇口交換にチャレンジしてみましょう。
また、蛇口交換などの水回りのDIYは、失敗してしまった時に思いがけない大きな被害を受けてしまう恐れがあります。
1人で交換作業をするのが不安でしたら、私たち水の110番救急車に蛇口交換をお任せいただければ、迅速に間違いなく蛇口交換を済ませることができます。
「業者に頼むとぼったくられそうで不安…」
「費用がたくさんかかってしまいそうで怖い…」
という方にも安心してご利用いただけるよう、お見積り以上のご請求はせず適正価格でのご案内・期間内の再トラブルは無償でご対応しております。
「まずは見積もりだけでもしてみてもらおうかな…?」
という方も大歓迎ですので、ぜひお気軽にご相談くださいね。